レンズは無機質なので………ジンの場合

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「タモツさんもベタ惚れだからね。 だけど彼は相手にしてもらえない。ポリシーに反するから。だから彼は友として一緒にいることを選んだ。 あんたはどう? そんなに惚れてるのに。あんたのことだ、手切れの電話貰ったときもカッコつけたんでしょ。 今更暴れるくらいなら、コクればよかったんだよ」 イチイチごもっとも。舌が俺のを突き出す。 左手が腰を撫ではじめる。 気持ち良さに俺の手が無意識にこいつの髪を掻き回しはじめる。 「最後にもう一度抱きたかった? どうせ男同士の恋愛なんて長続きしない。 別れるまで待つ? それとも強引に奪いに行く?最初の夜みたいに」 俺のを弄びながら臍の回りを舐めはじめる。 なんちゅうテクなの。 マジ立ってきた。 「目つぶって。 腰、前に出して。 乗るから」 椅子が壊れるかも。 「俺は軽量だよ、80もない」 クスクスと笑われ跨がられ。 「吐き出しなよ。 あんたまだ若いんだし。色んな奴と寝ればいい。 恋愛だってすればいい。 命短し、恋せよ青年」 「ばっかじゃね?」 言った途端にそこが包まれた。 「あんたの作品、好きなんだ。 こっちがぶっ飛ぶほどのデザインに頭をガツンと殴られる。 ガウディなんて目じゃない」 俺の腹の上で腰をくねらせながら、 「今さ、俺とあんたが交わってるケツの下にあんたの芸術品が敷かれてるんだよ。 どう、 感じる?」
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