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何となくそこで話が途切れたから、自分の机に戻って昼寝をしようと思い立ち上がった。 そんな時にゴンちゃんが、 「……実は俺、七瀬にイジメに遭っているところを助けられたんだよ」 と言ったので、思わず 「えっ、ゴンちゃんが七瀬に?」 とイスに座り直してしまった。 「うん。俺こんな容姿だからさ…… 小さい頃からからかわれていたんだけど、小5くらいから『ダサい、トロい』って女子がヒソヒソ言うようになってさ」 俺たちを見ていたゴンちゃんが下を向いた。 ゴンちゃんの髪は天パーだ。 そして黒渕メガネに小太りの彼は、一緒にいても同い年にみえないほど落ち着いた容姿をしている。 「運動は苦手です」と自己紹介の時に言っていた通り、体育の授業は運動神経も良くないし直ぐにバテる。 だけどユーモアがあって勉強では努力家の彼は、俺たちにとっては愛すべきキャラだ。 そんなゴンちゃんは顔を上げると、話の続きをしてくれた。 「中学に上がると『キモい』って言われてさ……。 体育で試合に負けると必ず俺のせいにされたんだよ。 そのうち机に“バカ”とか“死ね”とか書かれるようになって、教科書がトイレに捨てられたりして……。 さすがに学校に行くの限界と思った頃お金を要求されるようになったんだよ」 「……………」 俺たちは何も言えなかった。 そんな辛い目にあったゴンちゃんに、上部だけの優しい言葉はかえって失礼な気がして。 「で、体育館裏に連れていかれて絡まれているところを『お前ら何してるんだよ!』って七瀬が止めに入ってきたんだよ」 「マジで?」「うん」 俺の言葉にゴンちゃんは即座に頷いた。 「俺こう言っちゃ悪いけど、七瀬と二人でボコられるって思ったんだよ。 その時の七瀬なんて、まだまだチビで華奢な体だったからさ」 「それでどうなった?」 俺は早く続きが聞きたくて、ゴンちゃんに話の続きを促した。
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