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彼女を見れば、目は大きく見開かれ、唖然となっていた。 「…だって…あの時…」 「聞いてたんだろ?黒川の服に盗聴器がついてたぞ?」 「!」 「だから敢えて黒川はXについて気付いてないふりをした。逆にお前を混乱に陥れるために。」 「……………」 「さ、他の質問は?」 殺気を含みながらの笑顔は迫力がある。 ましてや、このイケメン。 男の俺が惚れそうになるほど。 「…永悟がいろんな情報を持っていた理由はPSP隊員だからということは分かった。 でも、永悟が持つ情報をあなた方が逐一知ることができたのはなぜ。」 「それについては黒川永悟役に聞いてみよう。酒匂?なぜだ?」 それは現物を見せるのが一番だろう。 その場でつけていた"コンタクト"を外す。 「黒川永悟の設定は、真面目で勤勉な外交官。幼少期から眼鏡をかけるほどのド近眼。 眼鏡さえ持っていたらコンタクトを持っていても不思議じゃない。」 「それがなに?」 「俺の視力は眼鏡など必要ない。ただ、コンタクトは必要だったから眼鏡をかけていただけ。 これはPSPのIQ娘が作ったシロモノでな。 つけている本人と同じ状態で隠し撮りが可能な小型カメラだ。」 「そんな!無色透明なカメラなんて!」 「作っちゃうんだよ、バカだから。ねー♪心ちゃーん♪…イテッ!」 「お黙り成。バカじゃないもん。」 「……まさか……」 「お前だってよく知ってるだろ?倉原心をそんな小娘と一緒にするなよ? その気になれば世界中どこの施設にも、アクセス権なしでハッキングできる。 最早神に近い天才の前じゃ、こういうものを作るのはハッキングより容易いってこと。」 「……………」 「俺はただ見ていただけ。それを本部で見ていたのがそっちの二人。 映っている情報を元に外で援護してくれたのがこっちの人とこの人。 伝えたいことがあれば、自分が鏡を見てしゃべればいい。この人たちの前では読唇術など息をするより簡単なこと。」 「疑問は解けたか?…次いこうか。」
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