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「……挙式ですか?」
彼は本題と言ったが、雑誌の話をしたのではなかった。
名古屋店での実際の挙式を見に来ないかと言い出したのだ。
おまけに日程は今週の土曜だった。
……土曜日……。
「そこで新作も出そうと思ってる。実際のお客さんの反応も小柳さんにはぜひいてもらいたいんだ」
「……ありがとうございます」
これは仕事かプライベートか。
いずれにしても……
私に断る理由はない。
「今週でしたら……社長はいらっしゃいませんけどよろしいですか?」
「かまわないよ。僕はプライベートで君を誘ってるつもりだから。碧斗だって、土日までは口出ししてこないだろ?」
プライベート……。
私がそうであるように、それなら碧斗は口を出さない。
「……そうですね」
「じゃあ、決まり。時間はまた連絡するから楽しみにしてて」
「わかりました。ありがとうございます」
「それはそうと……雑誌、見てくれた?」
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