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お店の窓からは、終わりかけの桜並木がぼんやりと見えた。
よくよく目を凝らしてみると、
木々の枝々にピンク色の花びらが、微かにしがみついている。
頑張っている春を、ちょっとだけ応援したくなった。
中学に入学して以降、私の視力は下がる一方だった。
2年に進級してすぐの視力検査では、案の定、新しいメガネを作るようにと言われた。
お母さんは「今日はあなたの誕生日だから、ちょうど良かったじゃない」と、
プレゼントのつもりで、近くのメガネ屋に私を引っ張った。
「他で買い物をしているから、その間に決めておいてね」
長時間、鏡と格闘している私を見て、
母親はそう言って、お店を出て行った。
鏡を見ながらいつも思う。
メガネは家と同じ気がする。
土台が悪いと良い家も建たない。
だから美人が羨ましい。
土台がしっかりしてるから、きっとどんなメガネでも似合うのだろう。
そんなことを考えながら唸っていると、
「これなんかどう?」と突然声を掛けられた。
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