3人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
__ガタンゴトンッ
久しぶりに帰る田舎への電車が、僕を乗せて揺れている。
太陽が沈みかかってオレンジ色になった空を見ながら、その車窓に自分の顔を写した。
高すぎるくらいだと思っていたビルの数も減って、周りには稲の沢山実った田んぼが、ひたすらに並んでいる。
中学になって東京へ引っ越してからここへ来るのは初めてだから、大体7年ぶりくらいだろうか。
今は大学の夏休みを使って田舎に帰ってきている。
7年も経っているのだから、だいぶ変わったところも多い。
「あの場所、まだあるかな……」
自分の他に2人程しか座っていない車両で、所々変わってしまった景色を見ながら、僕は呟いた。
最初のコメントを投稿しよう!