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まるで神様に祈っているかのようなポーズで答えを待つ紗友ちゃんに吹き出してしまった。
「悪くないよ。ちょっと改良はしたいけど……ホワイトデー限定デザートに出してみる? 勿論、他のパティシエもレシピ出してくるから選ばれるかは分からないけど」
「え……? いいんですか!?」
「うちに来たいんだよね?」
「はい! 働きたいです!」
「私もこれ美味しいと思うなー。頑張ってみなよ」
興奮でわなわなと身体を震わせる紗友ちゃんとは反対に、パクパクとケーキを口に運ぶさえこちゃん。
「本社に提出期限は月末だから……あと1週間しかないけど改良できる?」
「ええと、具体的には……?」
「白い苺は高価だから単価が上がる。まぁ限定ものだから多少高く設定は出来るけど、この間に挟んでるフルーツは別のものにして、飾りの方にだけ使う、とか。中身は……そうだな、クランベリーとか?」
「なるほど! 白いケーキから赤いクランベリー出てきたら面白いかも……ホワイトデーだし、赤は彼の熱い気持ち、みたいな?」
紗友ちゃんは俺の言うことを真面目にメモしていく。
「いいな! それでいこう!」
「はい! ちょっとレシピ書き直してきます!」
脱兎のごとくリビングから自室へ向かう紗友ちゃんが扉を開こうとしてピタリと止まって振り向いた。
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