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ある日突然 俺の目の前から大好きな彼女の存在が消えた。シャボン玉の様に……。
彼女は何時も笑顔で何をやっても駄目な俺の側に居てくれた。
彼女の名前は梓。
俺達は結婚を前提に付き合っていた。
梓と同棲生活をしながら毎日楽しい日々を過ごしていた。
でも、そんな時間は あっと言う間に過ぎていった。
買い物に出掛けようっとしていた彼女は突然倒れた。
俺は慌てて救急車を呼んで病院に向かった。何が起きたんだろう…俺はパニック状態になっていて言葉が出てこなかった。
暫くして先生が俺を呼び出した。
梓の検査結果だ。
俺は先生の言葉に自分の耳を疑った。
梓の命は もう永く無いと言われた。
嘘だ。まだ俺達20代だぜ?結婚もしてないのに。そもそもちゃんとプロポーズすらしてないのに…。
俺は先生に言われた事を梓に伝える事はできなかった。だから辛いのを我慢して俺なりに最高の笑顔で梓の御見舞いに行った。
でも、梓は解っていたのだろう…
ある日、俺の手を一回り小さな手で握って俺を見た。
『何時もありがとう。もしも私が死んでも和くんは笑顔で居ないと駄目だよ♪私は空の上で和くんの事ちゃんと見てるから♪じゃ…またね…。』
コレが梓の最後の言葉だった。
梓はシャボン玉の様にフワフワと空高くに旅立って行った。
梓が亡くなってから暫くの間の事は覚えてない。俺は何をしているんだろ…。
俺は今日迄どうやって生きてきたのだろう。
そんな事を考えていた時だ。
奇跡は起きた。
俺の目の前に大好きな彼女が居る。
幻覚なのか夢なのか、そんな事どうでも良かった。
「梓!!」
「和くん??」
間違いない!梓だ!?
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