1-コーヒー店・Rufellvia

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耳まで覆うサラサラな少々長めのショートカット。優しい雰囲気を抱く栗色の瞳。無駄な肉のない体つき。身長も、特別高くはないが、そこそこあって、男女共に人気があるだろう容姿と雰囲気を持っている。 名前は、リタ。コーヒー専門店、Rufellviaの店員。悩みといえば、周囲からは美点だと言われる大きな瞳。目尻が若干、垂れている。 「おー、おはよう」 カウンター席の向こうで、壁に備え付けられた棚にきれいに並ぶカップを、一つ一つ丁寧に磨き上げるのは、Rufellviaの店主。 細身の長身。ふわふわの髪は、伸びかけで少し癖のあるショート。一重で切れ長の目は、楽しげに、カップを見つめていた。髪は、栗色。瞳は、綺麗な琥珀色。紫煙を燻らすタバコをくわえる口元には、無精髭。まるで、モデル並みの容姿を持つ男だった。 「おはよ」 リタに視線もやらず、カウンターの真ん中の席に座り、片ひじをついて応えたのは、17歳の少年、テン。 全身から醸し出すクールな雰囲気。強い意思を示す大きな瞳。栗色のショートヘア。見事に整った顔立ちも、無愛想なせいで、クールを通り越して冷たいと近所で評判だ。 テンには、特別な才能があった。
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