序章

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一瞬。 そう、それは一瞬の出来事だった。  人間が一日で平均約15,000回もの瞬きをすると言われている、その内の1回を充分に満たす程の一瞬の出来事。  私が勉強好きで毎日塾に通って、友人と遊ぶよりも勉学を優先するような絵に描いたような時代錯誤の優等生なら、そんな出来事は起こっていなかったのかもしれない。  私の人生に大きな影響を与えた小さな事件は起こるべくし起こったのか、将又都合の良い様にそう思いたかったという自己暗示に過ぎなかったのかは今となっては確かめる事は出来ない。
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