0人が本棚に入れています
本棚に追加
/28ページ
「初めまして、倖人(ユキト)くん」
栗色のショートボブの髪に、濃すぎない化粧の女性が顔を覗きこんできた。
だからよりはっきりと美人と解る顔立ち。
まだ小学生1年生ながらも、美醜はすでに解る年頃で心の中で小さく倖人はガッツポーズする。
(やるじゃん親父・・・ひょろひょろした顔でこんな美人つかまえるなんて)
いつもなら行かないシャレたレストランの前で、ちらりと糸目の父親の顔を見上げる。
(親父が再婚・・・ねぇ?)
照れた様に父親が女性に挨拶していると・・・ふと自分の目線から女性の後ろで、もぞもぞ何か動いているのが見えた。
「私は永瀬ありすです。で、この子が私の娘の『倖名(ユキナ)』。ほら倖名あいさつは?」
女性の背後から怯える様に顔を出したのは、倖人くらいの年の少女。
母親似らしくとても可愛らしい顔立ちに、天パなのかふわりと肩までの明るい茶色の髪にゆるくウェーブがかかっている。
最初のコメントを投稿しよう!