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「…ねぇ、かずちゃん?どうして、あたしのオチ×チン…そんなに難しい顔して見てるのよ?」
「―――…はっ!?な、何でもねぇよ!」
時を忘れたかのように、恋人の逸 物をマジマジと見つめていた事に一司は思わず赤面した。
そして誤魔化すように言い放つ。
「ほらっ!早く着替えろよ!今夜はとことん飲むから付き合えよな!」
神谷の肩をポンポンと軽く叩いた後、一司は逃げるようにして部屋へと向かった。
『――今夜はラブラブしましょうね!』
「……っ!」
先の神谷の台詞が、一司の頭の中をひたすら巡っていた――。
正直…旅行で身体を重ねる予感が…こんなにも違った感覚を呼び起こすのかと、正直戸惑っていた。
そう…。口では悪態をつきながらも、一司も一司で期待しているのだ。
まるで、甘い恋人達が待ち侘びた特別な日のように…
初めての旅行で心から浮かれているのは…一司自身なのだ――。
もしかしたら神谷以上なのかもしれない。
けれど、そんな女みたいに、舞い上がる姿を見られるのは流石に恥ずかしかった。
全く持って甘え下手だと思うが、それが自分の性格なのだから仕方が無い。
これでも以前に比べたら、素直に感情を表現出来るようになった方なのだ。
「あ~…だから…浮かれんなって…俺…」
気がついた時には、一司はそう独り言ちていた。
顔を真っ赤に染めながら――。
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