ピカソ

Scene 3

　今日も朝まで飲むつもりでいるのか？歩きながらふと思う。この三人で飲む時は、確かにほとんどの確率で朝まで飲む。

　というのも、毎回潤が朝まで付き合わせる。流石に二十八歳になると、朝まで飲めても、昼に向かっていく頃には、眠気との戦いだ。寝てしまったら、変な時間に目が覚め夜寝れなくなる。かと言ってアルコールの入っている状態でずっと起きていられるはずもない。
だから、最近飲み会では、できる限り朝まで飲むことは避けてきた。昔のようには行かなくなってきたと、認めたくはないが徐々に劣化を感じている。

　しかしこの潤に関しては、未だに変わらず朝まで飲もうとする強者。
その上、潤は実は、二十歳でいわゆる出来ちゃった結婚をして、既に妻子持ちである。
　普段家では全く飲まないようにしていて、少ない小遣いで飲み会に行けるのも月に一回か二回程度。そのため、飲み会の時は、ここぞと言わんばかりに、よく食べよく飲む。そして朝までノンストップ。さらに恐ろしいのが、そのあと寝ずに家族サービスをするという。　　
　一体どんな体力をしているのか。
　まあ、もし遅れてくるようなら義博と二人で飲んで早いところ切り上げてしまうとも考えていた。