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「じゃんけんぽん!」
あ…
やっぱり癖でチョキを出してしまった私は、他の2人のグーに負けていた。
「はい、ざんねーん!みさの負けー!私、いちご牛乳ね?」
「私は、カフェオレー」
「俺、オレンジジュースー」
二人に混じって後ろから声が聞こえて振り返った。
「は?なに混じってんだし!あんたは関係ないでしょー?」
「いーじゃん、けちー」
そいつがわざと口を尖らせて可愛く拗ねると、一緒にいた2人が加勢する。
「買ってきてあげたら?」
「そーだよ、ついでじゃん」
わかってる。こいつはクラスでもモテるから、たいがいの女の子は色めき立つのだ。
女の友情なんて!イケメンの前では儚いものなのか!
「じゃあさ、ジャンケンで決めたら?」
「それいーかも!みさが勝ったら3人分、宮田くんが買ってくるってのはどお?」
ジャンケン…か
これはどうみても私の方が不利だ。
だって相手は陽ちゃんだもん…
無駄にイケメンになって高校まで一緒で、しかも同じクラス。
口は悪いし意地悪なのは子供の頃と変わってない。
しかも私にだけ。
ほかの女子には優しいくせに、私にはいっつも憎まれ口ばっかたたいてくる。
「いーよ、じゃあジャンケン」
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