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センセイが僕にかまってくれるのは、きっと在学中だけ。
卒業しちゃえば、お払い箱。
そして、センセイはここにきれいな女の人を誘うんだ……。
ああ、だめ、だめ。
ふるふると頭を振る。
せっかくセンセイが「大晦日、うちにおいで」と言ってくれたんだよ。
泊まりたいってセンセイに過去最大級のわがままを言ったら、「おばあちゃんが許してくれたらいいよ」と条件を出されて。
決死の覚悟でおばあちゃんに頼んだら、あっさり「いいわよ」と許してくれたのに。
――でもね、節度ある交際を心がけなきゃだめよ、あきちゃん。まあ、センセイは大人だからわかってると思うけど、一応釘を刺しておくわ。
そんな心配、杞憂だよ。おばあちゃん。
センセイは、僕にそんな変な気、起きやしないんだから。
僕には触れるだけのキスしか、くれない。
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