425人が本棚に入れています
本棚に追加
/227ページ
***
「ではこの店で働く意気込みを聞かせてください。」
…あ、そんな事も聞くんだな。
日曜日、3人のバイト希望者の面接をしている。
俺よりも雅臣が完全に仕切ってくれてる。
その気合いは何だ?
「あ、自分、何度かここに来てて料理もうまいし、まかないもあるし、店主さんカッコいいし…」
は?
「……………なるほど。」
男子学生の言葉に雅臣の声のトーンが少し低くなる。
「あ、でもお兄さんもイケメンですよね、なんか楽しいなぁー」
「はい。わかりました。以上です。お帰りください。採用なら2日までに連絡しますが、なければご縁がなかったということです。」
雅臣が少し早口になってる。
もう可笑しくて仕方ないけど、ちゃんど学生にはお礼を言っておいた。
「雅臣、誰か受かるんだろうな?」
今日の3人はきっと採用しない。
みんなお客らしいけどランチタイムには働けない。
そこ、募集したんだけど。
「残念ですが、今日の3人は…色々ダメです。」
…だろうな。
人を雇うってなかなか大変だな。
最初のコメントを投稿しよう!