番外編*僕と彼の新生活

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*** 「ではこの店で働く意気込みを聞かせてください。」 …あ、そんな事も聞くんだな。 日曜日、3人のバイト希望者の面接をしている。 俺よりも雅臣が完全に仕切ってくれてる。 その気合いは何だ? 「あ、自分、何度かここに来てて料理もうまいし、まかないもあるし、店主さんカッコいいし…」 は? 「……………なるほど。」 男子学生の言葉に雅臣の声のトーンが少し低くなる。 「あ、でもお兄さんもイケメンですよね、なんか楽しいなぁー」 「はい。わかりました。以上です。お帰りください。採用なら2日までに連絡しますが、なければご縁がなかったということです。」 雅臣が少し早口になってる。 もう可笑しくて仕方ないけど、ちゃんど学生にはお礼を言っておいた。 「雅臣、誰か受かるんだろうな?」 今日の3人はきっと採用しない。 みんなお客らしいけどランチタイムには働けない。 そこ、募集したんだけど。 「残念ですが、今日の3人は…色々ダメです。」 …だろうな。 人を雇うってなかなか大変だな。
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