4. 攻略開始!

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こくりと息を呑んだ。 すがすがしい風が吹いたよう。 清潔感あふれ、上品、そして、知的な男性だ。 彫りが深い外国人のような顔立ちが、ヨーロッパ紳士を思わせる。 「ほう、なかなかいい」 「結構、様になってんじゃね?」 黒羽さんを悠斗も、藤崎さんを上から下まで満足した眼差しで眺めている。 「文学青年って感じで、かっこいいです!」 「ほんと?じゃあ、詩集とか似合う感じ?」 「はい、似合うと思います!」 私は、目を輝かせて大きくうなずく。 顎に手を当てながら、少しの間考えて、藤崎さんが口を開いた。 「女と猫は追わない時にやって来る」 「……え?」 あれ、なんか聞いたことがある。 大学の課題でやったような ……。 そうだ ! ボードレールの「悪の華」の有名な一節。 『猫と女は、呼ぶと逃げ、呼ばないとすり寄ってくる』という意味だったと思う。 「な、なんでボードレールとか知ってるんですか?」 「意外?」 藤崎さんが、からかうような瞳で私に笑顔を向けた。 はっ! 今、とっても失礼なこと言ってしまったような ……。 返す言葉が見当たらず、思わず口ごもってしまう。
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