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「おわっ!?柳!?入ってくんならノックぐらいしろや!」
「ここ俺の部屋なんだけど!?なんで服の匂い嗅いでんの!?」
「何言うてんねん!異性の部屋に来たらまず服の匂い嗅ぐのが常識やろ!」
「そんな常識ある訳ねぇだろ!」
リアルにハァハァしてる轟木。その発想がもう女子高生のそれじゃないよ……完全にただの変態だよ……
それとその考えでいくと男女逆バージョンで同じ状況になったら問答無用で絶交あるいは警察のご厄介になっちゃうからね?
どうにか変態を部屋から追い出した後、さっさと着替えて皆がいるであろう大広間に向かう。追い出しても尚部屋の前でスタンバイしてた轟木と一緒に。
初めて俺の和服姿を見た轟木が「線は細いけどなかなかええな……眼福や……」と鼻血垂れ流しながら恍惚としてたけど大丈夫かな。
「にしても広いなぁ。神さんの家っちゅうのはどこもこんな広さなんか?」
「そうでもないよ。下位や中位の神様の屋敷はもう少し小ぢんまりしてるかな。嵐武様も今でこそ中位だけど、元は上位の神様だしね」
「なんで降格したん?」
「あー……人間の俺を神界に住まわせるのに色々と揉めた結果……かな」
苦笑混じりに告げた事実に心底申し訳なさそうな顔で「す、すまん……」としょんぼりする轟木。
そんな気にしなくてもいいのに。嵐武様が神の位を降格してでも俺を引き取ってくれたおかげで今の俺があるんだから。
しょんぼり轟木の頭を撫で撫でしてると、前方から呆れたようなため息が。
「こんなとこでイチャつくなよ……」
「爽、おかえりなさい。あまり馴れ馴れしくしては失礼ですよ」
見れば、高築と白狐だった。珍しい組み合わせだ。
白狐に言われて慌てて手を離すと捨てられた子犬みたいな顔になった轟木が瞬時に白狐をキッと睨む。
「おうコラ、喧嘩売っとんのか腹黒狐ぇ……」
「私の目が黒いうちは許しませんよ、発情娘」
なんか二人がすげぇ火花散らしてるんだけど……
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