新たな差別

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 どこか寂しげな表情を見せた彼女だったがすぐに笑みを浮かべて一歩前に出る。  「早く行こ」  彼女の後に続いて一歩踏み出す。  ―あっぶねぇぇぇぇぇぇ。バレてない? バレてないよね? つか、声に出てたとか恥ずかしすぎるよ……馬鹿だろ俺。ていうか、耳赤いは関係ないだろ。つか、お前も耳赤いよ! 寒さのせいだろ……多分。  はーやーくー。  随分と遠くからこちらに手を振る彼女のもとへと駆け寄る。  いつの日か重なり合う二人の影のように距離を縮めることができるのだろうか……でも今はこの距離感でいい。  でもいつかきっと……この想いが届くと信じて。
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