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全ての始まり
妻は証券会社に勤めている。
男女平等を掲げた性差別禁止法の浸透、度重なる法改正により男女平等は実現されたと言っても過言ではないだろう。
しかしその弊害も出てきている。
ここ一〇年の新生児の出生率が右肩下がりを続けており、少子化問題は未だに解決の糸口を見出だせずにいる。
妻は男女平等の時代において、まさしく時代を体現した女性だ。
そんな妻に対し夫の僕は妻の年収の半分も稼ぐことができない。
男女平等の時代において僕は弱者だった。
実質、妻に養ってもらっている僕のような男性は多い。妻のように働く女性が増え、子育てに対して現実味が持てないという女性が近年増加傾向にあるらしい。
妻もそうした女性の一人だった。
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