プロローグ

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 どうせまたいつもの病気でしょ……  そんな風に思っても、胃がキリキリと痛んでくる。  私はたった今見た光景が頭から離れずふらふらと道路に飛び出してしまって、危うく車に轢かれるところだった。  浩平がにこやかに笑いながら女の人と歩いていたのだ。私の大好きなとろけるような笑顔を惜しげもなく彼女にも披露していた。  女優のようなオーラをまとった人だった。  すらりと背が高く、体にぴったりした黒のタイトなワンピースがセクシーだ。彼女をエスコートして車に乗り込む二人は本当にハリウッド映画のワンシーンのようで、うっとりとするほど絵になる。  私は、二人に見つからないように思わず物陰に隠れた。  バカだ……  見つからないようにコソコソ隠れて、二人の様子をじっと見てるなんて余計惨めじゃないか!!  浩平は、待たせてある車に女の人をそっと乗せてから、自分も車の中に滑り込んだ。  まるで、車の中に人が吸い込まれるみたいにしゅうっと中に入っていった。  一体これから二人でどこに行くんだろう。
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