淡恋さくら

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 ギャップ。意外性。そんな単語で語りつくせない。恋は理屈じゃないとはきっとこのことだ。  どんどん惹かれていく。目の前のトキヤに。  あっという間に5つの桜餅を平らげてしまった細い指先。繊細そうなまつ毛。彩られた感情のせいで何もかもに目を奪われる。 「放課後、付き合えよ。甘い物食べるの」 「仕方ないな。少しだけだよ」  甘い物は、好きでも嫌いでもなく普通。だけど、好きになっていきそうな予感がした。  自分がトキヤと仲直りしたかったのもあるだろうけどそれだけでなく、西君はトキヤと私の背中を押すために私を訪ねてきたんだ。  本当のことを知るのはもう少し先の話ーー。 《完》
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