さくらの魔法

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そこに現れたのは、同じように真新しい制服に着せられた男の子。 少し頬っぺたを赤らめている。 サクランボのように淡く赤い頬っぺた。女の子もお揃いの頬っぺた。 「なんだよ。話したいことって」 ぶっきらぼうに言う男の子は、ますます顔が紅くなる。耳まで真っ赤。 「あ、いや、……あの」 女の子の顔もまた真っ赤になる。 さっきまで大きく手を振ってたのに、いきなり塩らしい。 私は、少し可笑しくなりながら、二人を見つめる。顔を真っ赤にしてお互いだんまり。 私の下……、いや、桜の木の下を選んだ理由はわかってる。 女の子は私(さくら)に力を貸して欲しいのだ。 春の特別な空気と一緒に特別な想いを届けたいのだ。
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