6人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
そこに現れたのは、同じように真新しい制服に着せられた男の子。
少し頬っぺたを赤らめている。
サクランボのように淡く赤い頬っぺた。女の子もお揃いの頬っぺた。
「なんだよ。話したいことって」
ぶっきらぼうに言う男の子は、ますます顔が紅くなる。耳まで真っ赤。
「あ、いや、……あの」
女の子の顔もまた真っ赤になる。
さっきまで大きく手を振ってたのに、いきなり塩らしい。
私は、少し可笑しくなりながら、二人を見つめる。顔を真っ赤にしてお互いだんまり。
私の下……、いや、桜の木の下を選んだ理由はわかってる。
女の子は私(さくら)に力を貸して欲しいのだ。
春の特別な空気と一緒に特別な想いを届けたいのだ。
最初のコメントを投稿しよう!