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そしてその婚姻が藤原家の勢力拡大化だけを狙ったものではないことも懐仁様はわかっていたのでした。
ーそれは、皇女様が戻る座も奪うためだったのでした。
皇女という身分で側室になどなれないと道長はわかっていたからこそ、帝の正室にあたる皇后の座に道長は自分の姫をそこに据えることで皇女様が宮中に戻れる希望を完全に無くすことが道長の真の目的だったのでした。
そしてその考えは今となっては懐仁様もわかっていたのでした。
しかし懐仁様も簡単に道長の思惑を許すはずがありませんでした。
「しかし、左大臣殿の姫はまだ8歳と聞くー果たして皇后の務めを斯様な幼子に出来るものかのう」懐仁
「それは…」右大臣
「それに8歳では、子を産むにもまだ早すぎるうえに、皇子誕生を望むそなたたちの意に反するものだと思うのだが」懐仁
「そ、それは…」右大臣
右大臣は懐仁様の言葉に酷く動揺していたのでした。
それから少ししてその日の朝議会はいったんお開きとなったのでした。
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