桜色チョーカー

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 桜が舞い散る3月終わり。  胸元は桜の色のピンクで、足元に向かって空色に変わっていくグラデーションのワンピースに、同じ空色のカーデガンを羽織った女性が桜並木を歩いている。  首元には桜色チョーカーを巻いている。 「ミユキ!こっちこっち」  20代後半と思われる男性に呼ばれて、スレンダーな体にセミロングの髪を風になびかせて近寄っていく。 「よっ!ミユキ。もういいのか?」 「うん、もう大丈夫」 「そっかぁ。知り合いの女性が殺されたと聞いて、本当、心配したよ」 「ごめんごめん。彼女とは中学の時からの付き合いだったけど、結構うるさくてね。この桜色チョーカーを作ったときも、売ってくれるとはいっても、その売り上げは自分の物だからってお金を払ってくれなかったからさ・・・」 「で、その製作費を出してくれるスポンサーさんはどうしたの?」 「うん?スポンサーさんもお金に余裕が無くなって援助できないっていわれてさ。新しいスポンサーを探さなきゃ・・・」 「そのスポンサー、俺がなってやるよ」 「本当?うれしい」  かつて、武内レナと名乗っていた、偽者のレナことミユキは、こうして新しい『僕の代わり』を見つけた。
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