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二人の情事は、指と口でお互いを満足させるのだ。そんな行為を繰り返しているうちに、いつしか躰の隅々まで、相手の性感帯を知り尽くすようになっていた。
「気持ちいい?」
「き…、気持ちい…い…」
女の途切れ途切れの声が、男の気持ちをそそる。
躰は、お互いを求めても決まりは破らない。最後まではしないが、オーガズムを存分に楽しみむ。
「い…っ、いい」
美園の喘ぎは甘く、紀生の理性を溶かす。
「我慢できなくなりそうだよ」
「え、駄目よ。約束でしょう?あっ…」
美園の答えは解っていた。しかし、溶け始めた理性を抑えられない。
『このまま流れでしてしまえば、いやいや、それでは約束が違うじゃないか。でも、美園もまんざらじゃないはず。いや、でも…』
結局、
『小心者だったんだなぁ、俺』と、紀生は自分の理性に負ける。
そんなモヤモヤした気持ちをぶつけるかのように、本能を込める。
「もっと気持ち良くしてあげる」
紀生の指が激しく美園の中で泳ぐ。
美園も紀生の局部を口に含む。
「き、気持ちイイ。溶けてしまいそうだ…」
彼を可愛がるのも、美園の楽しみでもあった。
『この人に出会えて本当に良かった』
二人はそう思っていた。
何で、今のパートナーと結婚したのか不思議なくらいだったが、離婚はしない。
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