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〜
その頃一ノ瀬家の前では、
敬介が学校の友人を数名集めて作戦を教えていた。
「みんな、よろしく頼む」
「敬介の頼みなら仕方ねぇな。よし、みんないっちょやってやるか!」
威勢のいい返事が響いた。
〜
見合いが始まり春子は落ち着かない様子で
外を見たり、心ここに在らずだった。
「お写真で拝見したとおり、本当にお綺麗なお嬢様ですこと」
相手方の母親が言った。
「いえとんでもありません。息子様も凛々しくて素敵ですわ」
百合子は言った。
春子はちらりと見合い相手、“駿太”を見た。
駿太は春子に微笑むと、春子も愛想笑いを返し、すぐに下を見た。
ー敬介様、早く来てくださいー
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