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風が吹く度に、ひらひらひらひら舞い降りる桜の花びらたち。
一枚一枚、また一枚、色鮮やかな薄ピンク色の桜の花びらが宙を舞う。
麗らかな春風に乗って遠くまで飛んでいく花びらもあれば、すぐに地面に落ちてしまう花びらもある。
私たちが座っているレジャーシートの上にも、桜の花びらが舞い降りる。
一枚、二枚、三枚、四枚、五枚……ほんの数分間で、ニ十枚ほどの花びらが舞い降りた。
香奈の頭の上には、四枚の花びら。蓮花の頭の上には、三枚の花びら。歳と同じ枚数。
私たちの周りにある桜の樹は、香奈と蓮花の年齢を知っているのだろうか。
散っても散っても減らない桜の花びら。
桜の樹は、いったい何枚の花びらを身にまとっているのだろう。
1、2、3、4、5、6、7、8、9……とてもじゃないけど数え切れない。
1万枚か、10万枚か、100万枚か、それ以上の枚数か。
桜の樹自身は知っているのかな。
何枚あるのか数えたことがあるのかな。
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