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「やった! 当たったよ!」
蓮花が嬉しそうな声で叫んだ。
ものすごいニコニコ顔。純粋に喜んでいるように見える。
もしかしたら、本当に当てたのかもしれない。
「あたしはハズレちゃった」
香奈が残念そうな声で言う。
「次はあの花びら!」
「あたしはあの花びら!」
蓮花も香奈も夢中な様子。
「じゃあ、私はあの花びら」
選んだ根拠はない。ただなんとなく。
「あー、ハズレちゃった」
「あたしもハズレちゃった」
「私もハズレちゃった」
ついさっき、蓮花が当てたのは、まさに奇跡中の奇跡。
そんなに何度も当たるわけがない。
当たったら、当たったと言う。
ハズレたら、ハズレたと言う。
素直で正直でいいと思う。
このままずっと素直で正直な子でいてほしい。
そう思いながら、私も夢中になって、次はどの花びらが地面に落ちるか当てるゲームを続けた。
選んでも選んでも、なかなか当たらない。私の直感は鈍すぎる。
蓮花と香奈もハズレ続き。奇跡中の奇跡は何度も起こらない。
それでも、すごく楽しい。
斬新なゲームを開発してくれた香奈に大感謝。
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