2 切なくも楽しい春の思い出

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「やった! 当たったよ!」  蓮花が嬉しそうな声で叫んだ。  ものすごいニコニコ顔。純粋に喜んでいるように見える。  もしかしたら、本当に当てたのかもしれない。 「あたしはハズレちゃった」  香奈が残念そうな声で言う。   「次はあの花びら!」 「あたしはあの花びら!」  蓮花も香奈も夢中な様子。 「じゃあ、私はあの花びら」  選んだ根拠はない。ただなんとなく。 「あー、ハズレちゃった」 「あたしもハズレちゃった」 「私もハズレちゃった」  ついさっき、蓮花が当てたのは、まさに奇跡中の奇跡。  そんなに何度も当たるわけがない。  当たったら、当たったと言う。  ハズレたら、ハズレたと言う。  素直で正直でいいと思う。  このままずっと素直で正直な子でいてほしい。  そう思いながら、私も夢中になって、次はどの花びらが地面に落ちるか当てるゲームを続けた。  選んでも選んでも、なかなか当たらない。私の直感は鈍すぎる。  蓮花と香奈もハズレ続き。奇跡中の奇跡は何度も起こらない。  それでも、すごく楽しい。  斬新なゲームを開発してくれた香奈に大感謝。
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