ハロウィンSS

8/8
2685人が本棚に入れています
本棚に追加
/406ページ
「五百四十円になります」  僕たちは視線だけ絡ませて、その場で別れる。  たぶん、崇さんはまっすぐ家に帰ってしまう。だけど、僕もバイトがあがったら行くつもりだ。  去っていく崇さんの背中に意識を向けながらも、僕はレジの対応を続ける。早くバイトを終わらせて、崇さんがいる家に向かいたい。その気持ちが、グッと膨らむ。 「ありがとうございました」  ハロウィンはもうすぐ。  去年は何も出来なかったから、今年は何か出来たらいいなと思う。  僕はお客さんの流れが止まるたびに、ハロウィングッズの置いてある棚のほうに目を向ける。色々想像すると、なんだか楽しくなる。  崇さんが驚くような、何か。今からどうしようかと、楽しみになった。 <終> 
/406ページ

最初のコメントを投稿しよう!