第7話 その愛①

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そしてついに、光輝の言葉が核心に触れたのだ。 「…あなたは本当に彼の事が大好きなのですね」 …そう…私は、寿哉が好き… 「人形に嫉妬するちっぽけな自分が嫌で! 彼にそんな自分悟られたら嫌われると思って!!」 由依の想いは爆発した。 「…そう、それで自分で自分の事が大嫌いになったんだね。 由依ちゃん、彼の事が大好きな筈なのに、 気づけば誰の事を一番考えていたか分かるかい?」 光輝はゆっくりと優しく問いかける。 「!!!」 由依はそこで初めて現実に返った。 「私は…アメリアの事ばかり…」 「聞いてみたかな? 彼がアメリアを見るようになった経緯を…」 光輝はそう問いかけつつ、 さり気無くパステルグリーンのテッシュBOXを差し出す。 …そうだ、全て私の妄想… 由依光輝からテッシュを数枚受け取りつつ、 溢れ出る涙がそのままにしている事に気づいた。 「聞いてみようか、彼に直接。 目を見て声を聴いて、体温を感じながら…」 由依はこっくりと頷いた。 光輝は自ら席を立ち、診察室のドアを開ける。 寿哉は光輝に誘導され、診察室へと入ってくると、 由依の正面に立った。 そして心配そうに、同時にこの上なく愛し気に由依を見つめた。「ごめんな、由依」 寿哉はそう言って両手を広げた。 「…そんな、寿哉が謝る…必要なん…て…」 由依は堪らなくなって彼の腕に飛び込んだ。 彼はしっかりと彼女を抱きしめる。 …寿哉…あったかい… 久々に感じる寿哉の体温、鼓動を感じ、 由依は今ここに自分が存在し、 そして生きている事を実感した。 ※「Espoir~エスポワール~」読まなくても差し支えは無いがハーメルンの笛シリーズDark Ange Therapyに詳細アリ。
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