君がいるなら

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ジャンプをするのが好きだ。 飛行機に乗るのが好きだ。 空を飛びたいと思う。 宙に浮いている瞬間は、人である事を忘れられる。 地に二本の足が付いていない間は、遥か頭上から地上を眺めている間は、全てが解放されて本当の自分になれた気がする。 新しい季節の訪れを告げる風が吹く中、俺はその快感を求めて一歩を踏み出した。 途端に世界がスローモーションに動く。 体が傾いて、自由な場所へと飛び込んで行く感覚。 目にかかりそうな程に伸びた前髪がふわりと浮き、希望の香りが鼻をかすめた。 この先に求めていたものがある。ようやく辿り着ける。 その事がただ純粋に嬉しかった。
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