436人が本棚に入れています
本棚に追加
/307ページ
「突然、俺の心臓は正常に戻ったんです。病気だったのがウソみたいに治ってて……でもそれを引き換えに兄貴の心臓がなくなっていたんです」
お願いだ。それだけはやめてくれ。
それだけは。
「使ったのか……」
俺は震える声で祐輔に聞く。
「え?」
「お前がコンプレックス交換サイトを使ったのかって聞いてるんだよ!」
俺は声を荒げた。
もしそうだったら許せない。
俺は……俺達は今までずっとこのサイトについて調べて来たのに。
宗輔が人の欲の犠牲になるなんて絶対に許せない。
ギリっと力強く手を握る。
爪が皮膚に食い込んでいたが、痛みすら感じなかった。
じっと祐輔を睨む。
しかし彼は戸惑うばかりで明言しない。
「言えよ、ちゃんと。それを言いに来たんだろう」
低い声で責め立てる。
すると、返って来た言葉は俺の想像しているものとは違うものだった。
最初のコメントを投稿しよう!