26(承前)

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 ジャクヤが皮肉そうにいった。 「ゴムボートとジェット機の戦闘か。望みはないな」  テルは敵の残存兵力に砲火を浴びせながら、無関心にいう。 「やつらの空母ももうダメだ。ジェット機だってもどる基地がなくなったんだ。ミサイルを撃ったら、機体を捨てて脱出するしかない。敵さんも必死だろう」  戦闘機がミサイルを発射し、ゴムボートを沈めていく。海上を漂う兵士たちには機銃掃射がおこなわれたが、こちらは自動追尾のミサイルほどの正確さはなかった。海に身を投げだした兵のほうが生存率は高いのだ。  その向こうではついに直径61センチ全長7メートル弱の高速魚雷が、旗艦空母に着弾を開始した。斜めに傾いていた別な空母がぐらりと揺れてから、沈降を速くし始めた。海面にできた渦に漂流する兵士たちが巻きこまれていく。
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