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専門学校生南条紗枝は夜の授業が終わり外に出たところで顔をしかめた。
雨が降っていた。
6月、梅雨入りはニュースで聞いていたが紗枝は気にしなかった。
傘を持ち歩くのが面倒だった。学校から駅まで20分、
電車で4つ目の駅まで25分、駅からアパートまで15分歩かなければならない。
6月になっても濡れると寒い、
あーあと大きくため息をついて紗枝は足早に歩き始めた。
18歳の紗枝は今年高校を卒業し専門学校に入った。
大学も受験したが落ちた。プライドの高い両親は専門学校を薦めた。
田舎では専門学校も進学の枠に入るのだ。
紗枝はどちらでもよかった、就職して独立して両親から離れたかったが
両親は許さなかった。
昼間は働くからと言って学校は夜を選択したが実際働けなかった。
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