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決して態度には現さないようには気を付けているが、油断をするとつい凝視してしまう。
翔が、大きな子猫のような目をくりくりさせた。
「また勉強してたのかよ。それ以上頭良くなってどうすんだよ」
「俺なんてまだまだだ」
「まだまだって、秀は一年の時からずっと学年一番キープじゃねぇか」
そう――俺は学校の成績だけはいい。
勉強は人間の価値を決める、もっとも簡単な手法だからである。
勉強ができれば認められる。学歴があれば、個人の価値が高まる。
少なくても、今までの俺はそう思っていた。彼に出会う前までは。
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