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「これで……終わりにしよ?」
「はっ? 何が?」
由美の言う事が俺には理解できなかった。
濡れた体をバスタオルで包んだ由美は、俺への返事の代わりに長いキスをする。
隣りに座った由美から、シャンプーの香りが漂った。
「だから、今夜で終わりにしようって言ってるの」
俺の肩に、頭を乗せながら静かに由美は言う。
俺にはまだ、由美が何を言ってるのか理解できなかった。
いや、理解したく無かっただけかも知れない。
「正直さ、もう限界だよ私達」
由美がいつものようにアロマキャンドルに火を灯し、電気を消す。
そして、いつもと同じストロベリーの甘い香りが立ち上ぼった。
キャンドルの炎に照らされた由美の身体は、とても美しかった。
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