エシテル

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エシテル

 アルジェリアで出会った。  ブリジット。  ある日、ブリジットはおとこにたずねた。 「あなたの国では、ジュテム、とはどのようにいうの。」 「愛してるという。」 おとこはこたえた。 「アイシテル、アイシテルといいあう。」 ブリジットはおとこにつぶやいた。 「ジュンヤ、アイシテル。」  紙にかいて、おとこはつたえた。  aishiteru  おとこは国にかえらなければならなかった。 「わたしも、あなたの国へいきたい。」 ブリジットは泣いていた。  ひとつきがたったころ、1通のエアメイルがとどいた。  それはおとこのつとめる会社宛であった。  きれいな字でかかれていた。  ブリジット・ボウシャン  「・・・ジュンヤ、あなたをわすれた日はいちにちとしてない。エシテル。わたしはあなたのもとへとんでいきたいけれど、じゆうにならない。それがかなしい。エシテル。エシテル。」  おとこはおもう。この aisiteru という意味がわからない。  辞書にもどこにもでていない。  エシテル、エシテル。  おとこはなんどもこころのなかでつぶやいた。
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