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あの花……
塀越しに白い花が沢山並んだ通学路を俺は歩いていた。
不思議なことに手前にある一本だけが赤いんだ。
それが異常に映ったのかも知れない。
だから俺の脳裏から今も離れないんだ。
その花の名前を知ったのは俺があの店へ行く前だった。
それは調べてはいけない花だった……
もしかしたら、この時から俺は疎んじがられていたのかも知れない。
俺の潜在能力がきっと皆とズレていたからだ。
俺はそんなことにも気付かずに、マザーの羊水の中で呑気に暮らしていたのだ。
プカリプカリと浮かんでた。
俺はマザーの羊水の中で胎児になって浮かんでた。
何時ものように浮かんでた。
ただそれだけだ。
何故なら、俺はマザーが好きだったからだ。
マザーの羊水には不思議な魅力があるんだ。
其処にいるだけで力が沸いてくるんだ。
お母さんに抱かれた赤子のように、信じきっていたからだ。
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