八十六章 北上

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   睡眠不足は成長期の彼の身体にはあまりよくないだろうと、寝る時間を早めて調整し、今では彼は滅多に寝坊することはない。 「そうなのね」  クレーネーが彼女の問いかけに答えているうちに、食堂へとたどり着いた。 「おはようございます。朝からお疲れ様です」 「おはようございます」 「おはよう!」  食堂でリューティスとクレーネーを待っていたらしい村長からの挨拶に答え、すすめられるがままにクレーネーと並んで座った。  テーブルの上には、湯気の立ち上る出来立ての料理が並べられていた。スクランブルエッグ、腸詰肉、酢漬けの野菜、焼き立てのパン、野菜のスープ。どれもおいしそうだ。 「おかわりあるからね、たんとお食べよ」 「ほんと? やったぁ!」  オーリーの言葉にクレーネーは嬉しそうだった。今、彼の前に並べられている料理の量では、彼には物足りないだろう。クレーネーが普段食べる食事量の三分の一程度の量だ。リューティスにとっては丁度いい量である。 「腸詰肉もたくさんあるからね。オーリーの手作りなんだよ」 「すごい!」  昨夜、村長から彼女の肉料理についての自慢があり、あの夕食の肉料理は確かにおいしかった。この腸詰肉も彼女の手作りだというのなら美味に違いない。肉料理に目がないクレーネーも、昨夜の彼女の肉料理はおいしかったと思っていたのだろう。 .
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