番外編、祭り最終日

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「フィル?寝てる?」 珍しく長い足を重ねてテーブルの上に乗せ、ソファに凭れ目を閉じたフィルの側に寄る。 「わ」 ぐっと腕を掴まれ引かれたレオはバランスを崩してフィルの腕の中に容易く囚われた。 フッと口角を上げ開眼するフィルを見上げ、苦笑して横に座り直す。 「起きてたんだ」 「目を休みていただけだ。早かったな。ちゃんと楽しめたのか」 「楽しかったよ。ここ数年で出来た店や、祭り期間の噂のスポット教えてくれたり連れて行ってくれた。それでフィルと行きたいとこが出来たんだ。ヴァンチャーチの塔の上から街を眺めたい。あとで行こうよ」 マスクを外した仮装のままのレオ。この数日は祭りに浮かれ普段より口数が増え、幼く見えた。 「……団体の拝堂か」 「今は団体は無く街の管理で出入り自由だって。塔は展望台でジンクスがあるみたい。それに丘に行かなくても祭りの緑が一望出来るって」 レオの発言に満足そうに笑むフィルを不思議に思い、真顔になる。 「……なに」 「初めて誘われた気がするな」 「そうだっけ」 「ジンクスとは何だ」 「誓いの塔って言って祭り期間に行って告白する場所になるらしいよ。末長い幸福、深愛を得るとか。試そうよ」     
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