その1。出会い。

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2つ先のバス停で一緒に降りる。 高校3年生だ。と言った彼は 「俺の家って喫茶店なんだ。腹減ってない?」と言って先に立って歩きだす。 私は彼の少し後ろを歩きながら、さっきの出来事を聞いて見る事にした。 「さっきのって、…えーと、周りがグレーになって みんな止まってたみたいに感じたのは…気のせいかな?」と 「うーん。気になる?」 気になるでしょう? 「さっきは慌てちゃって、思わず『チカラ』を使っちゃったからなあ。」と頭を掻き、 「ミツキちゃん。誰にも言わない?」と立ち止まって私の瞳を覗く。 じっと見つめられてドキドキする。 「…やっぱり聞きたくないかも…」と目をそらして歩こうとすると、 「俺って、超能力者…みたいなんだよねえ。」 と思い切ったように言って、私の腕をギュッと掴んだ。 「う、嘘だよね。」と唖然とした顔をすると、 「こんな『チカラ』持ってるヤツは嫌い?」 と真面目な瞳で私を見据え、掴んだ腕の力を少し緩める。 少し悲しそうな瞳。 「えっと…いや、別に嫌い…とかいうわけではないような…」 と小さな声でシドロモドロになりながら言うと、 急にリクの瞳が期待に満ちたように輝きだす。 切れ長の瞳に吸い込まれる。 とドキドキする。 「…えーと…どっちかっていわれたら、…好きかも…」と思わず言ってしまう。 「良かった。嫌われなくて。」 とホッとしたように私と手を繋ぎ、前を向いて歩き出した。 ほんとう? 本当の本当に超能力者? それってなに?
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