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えっと…いつだったかなぁ… 私、初めての人にすごく熱を上げていた気がするけど。 顔も思い出せない。 「あっ…イイ……んっ」 目の前で、今日も昨日とはちがう人。 あの女のお陰だって、風の噂で聞いてる。 初めての人にすべてを捧げようとしていたなんて馬鹿げてる。 だって、もっと私を高ぶらせてくれる男(ひと)が次から次から出てくるの。 この世界ってすごい。 沢山の人が、仏頂面で見てる。 そこは本当に弱いから、ダメだってば… 「あぁ…!!」 「カット――!」 声とともに、カメラが止まる。 もう少しだったのに… まぁ、いっか。次があるからね。 私の幸せな顔、あの女(ひと)に見せたいのに。 お礼も言いたいのにな。 本命が、貴方だったのか、私だったのかなんてどうでもいいの。 同じ人に抱かれた貴方なら、 もしかしたらこっちに来ても楽しめると思うの。 貴方がくれた世界、満喫中です。
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