あなたと出会ってしまった日

３、私のことを覚えていますか？

「僕は人と会話をしても面白くないって言われるんですよ」

「えっと、もしかしたら会話が難しすぎるのかもしれませんよ。専門用語とか、他の人がわからない単語を度々使われていましたから」

「そうですか。やはりあなたは僕のことがよくわかっている」

「いえ、そうではなくてですね。会話って相手があって成り立つものでしょ。相手のわからないことをただ話し続けるのは自己満足じゃないですか。あーなんか、すみませんね。こんな説教じみたこと言いたくないんですけど、つい癖で」

「いえ。むしろ叱ってくれたほうが僕にとってはいい経験になります」

「はあ、そうですか」

なんか、この人と噛み合わないな。