第1章

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MAYFAIR FANTASY 第四章 遙かなるニャングリラ map1 ロコキッチン 「ここが砂漠の手前、最後の街です。ここで食料と装備を整えて、明日、砂漠に入りましょう」 「ジェネラルぅ、ニャングリラはまだ遠いんですかぁ?」 「ニャングリラは、大陸の西に広がる広大な砂漠の中のオアシスと言われています。正確な位置は、誰も知りません」  黒猫がしんみりと言います。 「なんだか、雲をつかむような話ですね。広大な砂漠を、当ても無く彷徨うなんて・・・」 「あなたの、野生のカンに、期待してるんですよ」 「はぁ・・・」  黒猫は、耳を後ろに倒して宙を睨むのでした。 「ジャーン、おニューのメイド服よー」  メイが、みんなの前でくるっと回って見せます。 「きゃー、姉様、カワイイー」 「黒いフリル、ステキ?」 「悪魔の羽根みたい」 「デビルウィングね」 「悪魔じゃないもん。天使だもん」 「堕ちた天使。堕天使ね」 「それって結局・・・、悪魔じゃん」 「天使でも悪魔でも、メイちゃんは可愛いですよぉ」 「ぽ、ぽんこつのくせに、何ナマ言ってんのよ」  少し離れた場所で、凜伽が愛姫に囁きます。 「なんだかんだ言って、メイちゃん、左右宇ちゃんを可愛がってるわよねぇ」 「うんうん。ちゃっかりお下がりのメイド服、左右宇ちゃんに着せちゃってるし。・・・私もアリス服着たいな。世界で一番可愛い愛姫にお似合いよ」 (普通言う? 自分で、そーゆーコト)とは、口に出して言えない凜伽なのでした。  真夜中、アリスはまおの声で目を覚ましました。 「アリスちゃん、アリスちゃん、助けて。ももが、ももが、病気なの」  隣のベッドの上で、ももがぐったりしています。 「心配ないわ。これは、病気じゃなくって、メタモルフォーゼするのよ。ホムンクルスは、一週間ごとにメタモルフォーゼを繰り返して成長するの。第一齢、ひよこの時代が終わりを告げ、明日の朝には、新しい姿になっているでしょう。一晩、そっとしといてあげましょう。・・・まおちゃん、私のベッドにいらっしゃい」 「わ、わたし、おっきいよ」 「イビキが?」  まおは手をバタバタさせて、さかんにジェスチャーで伝えようとします。 「はみ出ちゃうよ」 「我慢します」  まおは遠慮がちに、アリスのベッドに潜り込むのでした。
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