第1章

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MAYFAIR FANTASY 終 章  決戦の島  高い岩の上から、メイフェア隊のメンバーが滝壺をのぞき込んでいます。 「沙姫ちゃん・・・。本当にここから飛び込むの?」黒猫の声も震えています。 「そうだよ。滝壺の底があっちの世界につながってるんだよ」 「なんでわざわざこんな高い所から飛び込むのよっ」と、愛姫が詰め寄ります。 「途中で浮かんじゃったら向こうへ行けないよ」  まおが、おずおずと手を挙げます。 「ひとつしつも~ん。向こうは、どんな所へ出るの?」  沙姫は胸を張って腰に手を当てます。 「そーんなことは分からないさ。行くたんびに違うんだよ。  んじゃ、行っくよー」  沙姫は滝壺に飛び込んでしまいました。  ドッブーーーーーン。  なかなか浮かんできません。 「あっちの世界へ行ったのかしら?」 「底に沈んぢゃってるのかも」  黒猫が、胸に抱いたハナに聞きます。 「ハナちゃん、ここに残る? 一生、ネコマンマ食べ放題よ」 『にゃ。ぼくもくろちゃんと一緒に行くにゃ』 「心中の相手がハナちゃんってのも、悪くないか・・・」  ドッブーーーーーン。  きみぃが下を覗き込んで硬直しています。 「ジェネラルぅ、遺書、書いてもいいですかぁ?」 「誰が読むのよっ」ケイが、きみぃの背中をポンと押します。 「あわ、あわわわわ」ずるっ。「きゃーーーーーーーー・・・・」  ドッブーーーーーーーン。 「ケイ、行っきまーす」  メイフェア隊は、次々に滝壺に飛び込んで行くのでした。 map1 砂丘 「イツツツツ」 「アタタタタ」 「結局、砂まみれになるのね・・・」  沙姫は、一人離れた所で毛繕いしています。 「慣れれば大丈夫だよ」 「こんなのに慣れたくないわよっ!」  メイフェア隊は、砂を払って立ち上がるのでした。 『黒猫ちゃん、周りを見て』 「なに? うるは?」 『周り・・・』  黒猫の耳が,ピクンと動きます。 「みんな、静かにして・・・」  全員、口をつぐんで辺りを窺います。 「この気配・・・、取り囲まれている・・・」 「数十・・・、いえ、百を超えているわね」 「よりによって、魔族の大部隊の真ん中に出てしまうとは・・・」  メイフェア隊は、それぞれの武器を手に、円陣を組んで身構えるのでした。  北の方角から、魔族の一群が進軍して来ます。先頭に立っているのは、ネクロマンサーです。 「愛姫ちゃんは、下がっていて下さい。ここは私が」
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