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「一度は惚れた男だろ、これで良かったのか」
橋口は「ククク」と嫌味な笑いを見せながら聞いた。
「私をお金としか見てない奴なんてどうでもいいし」
明美は瑠偉斗を睨みつけ、
「それにNo. 1なんてどこにでもいるしね」
唾を吐きかけた。
「ククク、面白い女だ。
どうだ、俺の女にならないか? 」
橋口の冗談に、
「残念、私男前にしか興味ないの。
じゃあね」
軽く断りを入れその場から立ち去った。
「よかったんですか?
情報交換だけでカケの五百万チャラにしてやるなんて」
塩見の嘆きに、
「所詮あいつも覚醒剤中だ。
そんな奴が俺達と関わっちまったんだ。
食い潰してやるさ」
ヤクザの顔で答えた。
「ククククク…… 」
「ひゃはははははは」
「……へへへへへ」
三者三様の笑いは、廃屋の中こだまするほど響き渡った。
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