10.学園祭

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きっと他のとこは来てるからやばいな。 俺は少し早歩きになりながら、辺りの生徒に手を振り部屋まで案内をした。 扉を開ければその先には予想通り、七つの貴族とその子供たちがそろっていた。 「すいません、お待たせしてしまって。父さんたちは空いてる席に座って」 入ってすぐに失礼のないように七つの貴族に詫びを入れ、空いている席に父さんたちを誘導して座らせる。 俺はこの人たちを誘導して会場まで連れて行かないといけないんだけど、なにぶんまだ衣装に着替えを済ませていない。 もう少し待ってもらうしかない。 「申し訳ありません皆様方。準備がもう少しありますので、今しばらくこの部屋でお待ちください」 そういって俺は頭を下げてその場を後にし準備室へと速足で向かう。 あまり手間取ってはいられないためさっさと着替えてしまわなければ。 すると着替えのさなか、部屋にシグマ先生がやってきた。 「そろそろ始まるぞ。準備はできたか?」 「今着替え終わったとこって衣装、シグマとおそろいなんだ?」 今日まで衣装は見てなかったから、シグマ先生とおそろいなんてことは勿論知らなかった。 黒いTシャツに腰には赤のチェックの上着を巻くスタイル、下は白い細身のズボンにブーツ。 色も形もすべてがおそろいって状態。 まぁ同じボーカルをやるわけだしおそろいにしててもおかしくはないか。 「あぁ、そうらしいな。まぁ、別にいいんじゃね?お前にそれ、似合ってんよ」 「シグマも似合ってるよ。さて、そろそろ七つの貴族の方々を誘導しないとかな」 「そうだな、お待ちかねだろうしな」 そういって俺と先生は、一緒に七つの貴族を待たせている部屋まで再び移動した。 中には優雅にティータイムを決め込んでいる貴族たちの姿。 なんか近寄りがたいなぁと思っていると俺たちに気づいたセラたちが近寄ってきた。 「ケイ、凄い似合ってるよ!」 「いつものもいいけどそれもいいっしょ」
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