狂気

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「…えっと、わ、私。外で冷たい空気吸ってきていいかな?」 私はいつの間にか考えもしない事を言っていた。『逃げてるみたいじゃん!』と、私の中の私は言うのに頭はパニックを起こしていた。もう何が何だか分からない。 彼が私に声をかける間も無く、私は外に飛び出した。 近くに公園がある。とりあえずそこまで…。 あ…。 たくさんの人とすれ違う。 …笑顔の人、泣いてる人…ポーズを決めるように、みんな固まっている。 私は公園のベンチに座った。 彼は、すぐ後ろまで来ていた。 知ってる。 なんの音もしないこの世界で、後ろから聞こえる足音は十分に大きく感じていた。 「…ずっと、このまま…このまま止めてしまってもいいだろうか。」 彼は、訳のわからないことを言った。
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