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真っ赤に染まった実晴に俺が持ってきた薄手で大きめのプルオーバーを着せ、レストランに向かう。
夜は懐石料理が出され、どれも味が優しく美味しかった。
実晴は目の前で顔を赤らめたまま、食事を続けていて、その姿がとても愛おしい。
「実晴、美味しい?」
そう聞くと実晴はコクコクと首を縦に振ったが、その後に
「正直、あんまり味がわからなかったです…」
と俯きながら呟いた。
本当はどうして、とか苛めてあげようかと思ったけど、ここまでするとかわいそうかと思い、そっか、と言ってご飯を食べると早々に部屋に戻ってきた。
お腹を少し休め、2人で部屋にある露天風呂に入る。
隣には家族連れが止まるのか、子供のキャピキャピと嬉しそうな声が聞こえてきた。
「可愛いですね、3歳ぐらいかな…」
「実晴は本当に、子供が好きだよな」
俺はそんなに好きじゃないが、実晴は大の子供好きだ。
街中に行くと、必ず赤ちゃんや小さい子に手を振ったり話しかけたりする。
「はいっ、可愛いので大好きです」
「そっか…」
そこで、また俺の苛めたい悪戯心が動き出した。
「実晴は俺との子供、作ってくれるのかな?」
「…えっ」
ただでさえ湯船に浸かっているのに、ますます実晴の白い肌が赤色に染まっていく。
想像通りの反応に、俺も胸が高鳴った。
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