最高にSweetな1日を君に…

9/12
202人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
真っ赤に染まった実晴に俺が持ってきた薄手で大きめのプルオーバーを着せ、レストランに向かう。 夜は懐石料理が出され、どれも味が優しく美味しかった。 実晴は目の前で顔を赤らめたまま、食事を続けていて、その姿がとても愛おしい。 「実晴、美味しい?」 そう聞くと実晴はコクコクと首を縦に振ったが、その後に 「正直、あんまり味がわからなかったです…」 と俯きながら呟いた。 本当はどうして、とか苛めてあげようかと思ったけど、ここまでするとかわいそうかと思い、そっか、と言ってご飯を食べると早々に部屋に戻ってきた。 お腹を少し休め、2人で部屋にある露天風呂に入る。 隣には家族連れが止まるのか、子供のキャピキャピと嬉しそうな声が聞こえてきた。 「可愛いですね、3歳ぐらいかな…」 「実晴は本当に、子供が好きだよな」 俺はそんなに好きじゃないが、実晴は大の子供好きだ。 街中に行くと、必ず赤ちゃんや小さい子に手を振ったり話しかけたりする。 「はいっ、可愛いので大好きです」 「そっか…」 そこで、また俺の苛めたい悪戯心が動き出した。 「実晴は俺との子供、作ってくれるのかな?」 「…えっ」 ただでさえ湯船に浸かっているのに、ますます実晴の白い肌が赤色に染まっていく。 想像通りの反応に、俺も胸が高鳴った。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!